令和4年度福島県県内避難者・帰還者心の復興事業
「映画鑑賞交流会『飯舘村 わたしの記録』」を実施しましたのでご報告します。

映画「飯舘村 わたしの記録」の概要

〇撮影・監督  長谷川 健一さん(飯舘村前田行政区)
〇撮影期間   平成23年4月23日~8月23日
〇内容 (映画説明より抜粋)
「福島県・飯舘村(いいたてむら)。原発事故後、6,200人もの住人が村を追われ避難生活を強いられている。飯舘村で酪農家として家族と共に暮らしてきた長谷川健一さんは、当事者の目線で、自らの体験を伝えたいと、ビデオカメラを購入。独学で撮影をはじめた。
飼っていた牛が売られていく様子、荒れ果てていく田畑、全村避難までの粛々とした時間、そして、村の自宅で家族が集まった最後の晩餐。刻々と変わる状況とは対照的に、静かに移り変わる放射能に汚染された風景。長谷川さんが撮影時に吹き込んだコメントが時折、映像を詩的に彩る。
本作品は、2011年4月23日から8月23日までの4ヵ月間に撮りためられた約37時間に及ぶ映像を68分にまとめた。(以上)
※制作 特定非営利活動法人OurPlanet-TV
DVD紹介 https://optv.theshop.jp/items/50000067
予告篇 https://youtu.be/PpjbxmAeMco

交流会報告

1.開催日令和4年11月19日(土)
2.時 間:午後1時30~3時30分
3.場 所:飯舘村交流センターふれ愛館
4.説明等:長谷川 花子さん
5.ファシリテーター:伴場 賢一 さん(一般社団法人Bridge for Fukushima代表)
6.参加者:27名(避難者9名、帰村者10名、村民3名、都民1名、講師1名、事務局3名)
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.交流内容
初めて、映画鑑賞会を実施しました。案内が届くとすぐに申込みの連絡が入り、皆さんとても関心がある映画と感じていました。
参加人数27名は、6年間行っている交流会で、一番多い参加人数。交流会に初めて参加する方も10名いらっしゃいました。

映画「飯舘村 わたしの記録」を上映後、長谷川健一さんの奥さん長谷川花子さんとの対話(質問)を行いました。
その後、ファシリテーターの伴場さんの進行のもと、3人~5人のグループに分かれ、感想交流会を実施しました。

テーマは、「思いの共有」
1)映画の中で一番印象に残った場面は、どの場面でしたか?出来れば理由も教えてください
2)長谷川さんに共感できることはどんなことでしょう?
について、皆さん感想を話し合いました。

8.事務局感想
「映画を見て、感想を話す交流会」は、初めての試みでした。
真剣に感想を話す皆さんの様子を見ていると、このような場・時間がとても大切と感じました。
ファシリテーターの伴場さんには、話しやすいテーマの設定と進行を行っていただき感謝しております。

長谷川健一さんが、記録を残していたからこそ、今日の映画会を実施することができました。
上映中、涙をふく仕草を見せる参加者もいらっしゃいました。
私も、牛乳を捨てる様子や牛を牛舎から運搬する様子には、ハンカチでふくほど涙がでました。

映画会+感想交流会、実施して良かったです。
東京から参加いただいた特定非営利活動法人OurPlanet-TVの方から「飯舘村に関する映像記録」はたくさんあると教えていただきました。
いつか「いいたて映像祭」と称して、映画会+感想交流会を実施したいですね。

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長谷川健一さんは、昨年の10月にお亡くなりになりました。
最後にお会いしたのは昨年の6月。闘病中でしたが、飯舘村の将来について、強い気持ちで、お話していた姿を思い出します。
心よりご冥福をお祈りいたします。

参加者アンケート結果

1)避難生活または帰村後の生活において困っていることはありますか。
・みんなバラバラです
・家族がいちばんバラバラになったのがいちばんです
・食料品等の買い物、医療、ガソリン・飼料高騰
・買い物(いろいろな資材)等が不便である。また、家族とは、離れ離れであるし、年々不安になる。
・東電、国等の補償が足りない
・今は、運転も出来るので、なんとか出かける事も出来る

2)事業の内容は有意義でしたか

回答22名中7名 とても有意義だった
回答22名中8名 有意義だった
回答22名中2名 普通
回答22名中5名 無記入
・長谷川健一さんが、記録を残していただいたおかげで、12年近く過ぎた現在、当時の様子を見せていただき、その当時の事を思い出しました。
・11年前を思い出しました。長谷川さんの御気持ちが分かります。
・発言しやすい雰囲気で互いの話に耳を傾けられた。
・少しむねの内が晴れた(お話をしたことで)
・当時の記録を後世に伝える責任がみれた。
・わからないことばかりで健一さんの記録を見てわかりました。大変なことがあったことがわかりました。懐かしい人、今は亡き人も映っていました。
・DVDがあるのか?(回答:あります)
・テレビで見ていた立場ですが、その当時のことをいろいろ思い出しました。忘れていたつもりはなかったけど、やはり忘れていたようでした。大事なこと思い出すきっかけになりました。
・被災の現状を映像で見れたこと。
・先の事、被災村の現状を再確認できる永久の映像があることを知った。
・牛のさよならシーンです。
・私も同じ畜産農家でしたので自分の事を思い出しました。

3)つながり作りや生きがいを持つために役立ちましたか
回答22名中7名 とても役立った
回答22名中6名 役立った
回答22名中3名 普通
回答22名中6名 無記入
・感想を話し合う時間に、話をすることができて良かった。当時の事をまた思い出して良かった。
・人との会話で共有出来るところ
・助け合う大切さ
・久しぶりに会えた方々とお話できて良かったです。
・友達にめぐまれました。
・人は一人では生きれません。牛をみんなで車に乗せ、せつなくなります。
・行政のつながり
・また頑張ります。ありがとうございました。

4)改善点等、次回に向けてのアドバイス
・4ヵ月ほどの映画だったので、そのあとも見てみたい。

5)今後、やってみたい、体験したいと思うこと
・星を見る会
・村の歴史など知ることができるといいなと思います。
・ドローン操作
・また、映画を見たい。村のドキュメンタリー等
・ぜひ、また映画上映会を企画してください!
・別にないですネ。現状のまま生きて行きます。